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弁護士の木岡です。

今回は,「供述証拠」について書いてみたいと思います。

 

裁判沙汰になる紛争を抱えた当事者の方と打合せをしていて,よく聞かれる質問の一つが「証拠はないが,当事者や第三者の証言などは証拠にならないのか」「証拠がなければ,常に立証はできないのか」というものです。

 

結論から申し上げれば,民事裁判においても証拠がなければ,全く立証できない,というものではありません。日常生活を送るうえで,常に裁判の事を意識して行動する人はむしろ稀ですから,紛争において客観的な証拠があるケースは決して多くありません。そのような現実について裁判所もある程度の配慮をしてくれているのです。それゆえ,一定の場合には,証言や供述も有力な証拠の一つとして考慮されることとなります。

 

ただし,人間はいくらでも嘘をつくことができますので,証言や供述があっても,それのみをもって,ただちに「決め手となる証拠」と取り扱われることもありません。その信用性(本当のことを言っているかどうか)については,様々な考慮要素をもって,慎重に判断されることになるのです。これは,実は,当事者の供述のみならず,第三者の証言においても同様で,当事者以外の証言があるからといって,直ちに裁判に勝てる,というものでもないのです。

 

まとめますと,証言や供述証拠については,「証拠にはなるけれどもそれだけで決め手とすることは少ない。何か他の補強事情と相まって,その証言が信用できると判断した場合に,はじめて決め手となる証拠として取り扱う」という運用がなされているのです。

 

それゆえ,客観的な証拠のない事案においては,「こちら側の供述・証言の信用性を強める事情を探す」とともに「相手方の供述・証拠の信用性を弱める事情を探す」という作業が必要になります。このあたりは,弁護士の腕の見せ所になり,一定のセオリーを前提としつつも,弁護士各人が創意工夫を行っている部分になります。

 

次回以降では,「どのような証言が,裁判において信用されやすいといえるのか」というセオリーの基本的な部分について,書いてみたいと思います。